映画『ラ・ラ・ランド』 [お気に入りの映画]
映画『ラ・ラ・ランド』を観てきました。(3月1日TOHOシネマズ日本橋・スクリーン7)
正直全く期待をしないで見にいきましたが、見事に裏切られました。久々に“映画ミュージカル”を堪能しました。ステージ・ミュージカルの映画化版は普通にありますが、これは映画のために作られたミュージカルです。子供の時に見た、フレッド・アステアやジーン・ケリーなどが出演した黄金時代のMGM映画を彷彿させる作品で、懐かしさのあまりに何度も涙ぐんでしまいました。
オープニングから圧倒されてしまいます。高速道路で渋滞する車列で踊りだすんです。しかも撮影は長回しで、おそらく腰に固定したハンディ・カム・カメラを使用していると思われます。オープニングのダンス・シーンとしては『ウエスト・サイド・ストーリー』が印象にありますが、ショート・カットの編集でした。今回は長回しのカメラですので編集でごまかしができません、さらにダンスもミスできません。振り付けからカメラ・ワークまで入念なリハーサルが繰り返されたことでしょう。しかも高速道路上で…! 7~8分のシーンに1、2ヶ月、あるいはそれ以上を要したのではないでしょうか。映画史に残ると言って良いでしょう。
演出と振り付けが見事に融合しております。振り付けはクラシック・バレエをベースにタップ・ダンスを加えたオーソドックスなダンスです。自然な動きから入ったり、落ちている帽子を拾う仕草など、昔のMGMミュージカルそのものなのです…!
“ハリウッド・ミュージカル”なので、ボーイ・ミーツ・ガールのハピー・エンディングだと思っていましたが、ラストはアメリカ版の“シェルブールの雨傘”です。ガソリンスタンドで偶然に再会を果たした二人は別々の家庭を築き幸せになっているのに、なぜか寂しさが残る“シェルブールの雨傘”でした。この“ラ・ラ・ランド”も同様です、二人の夢が叶っているのに…。またまた涙してしまいました…
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